個人民事再生法について

生活再建の一つとして、個人再生手続きである個人民事再生法が可能になりました。

 

これまでは、法人向けに行われていたのですが2000年11月から個人でも適用される流れに変わったのです。

 

尚、個人民事再生法では生活再建である任意整理や特定調停よりも手続きに時間を要するものの、債務(借金)の圧縮効果は大きくなります。

 

任意整理・・・裁判所などを通さずに弁護士を代理人に立てて債権者(お金を貸してくれた人)と借金の減額などを含めて返済方法を考えて同意を求める方法となりますが、特定調停より費用が高額です。

 

特定調停・・・原則としては本人が行うもので、裁判所が債務者(お金を借りた人)と債権者の仲裁役となって和解を成立させるものですが、裁判所を通して自ら債権者と交渉するため時間を要します。

 

ここで、本題の個人民事再生法では何が出来るかというと、例えばカードやギャンブルなどでできた借金の返済が難しくなった場合、返済総額を減らして減額後の金額を3年〜5年の間で返済する(分割)再生計画を立てて債権者と裁判所の同意を求めます。

 

承認されれば、再生計画通りに返済を実行することで残りの借金(養育費や税金などの一部債務は除く)が免除(チャラ)されるというものです。

 

※減額については、最大80%引くことも可能です。

 

また、自己破産といった生活再建とは違ってマイホームを手放さずに済みますが住宅ローンは免除の対象外ということになります。

 

つまり、個人民事再生法というのは“家を手放さず自分の抱えている借金の一部を支払っていくという制度”なのです。

 

その他にも、資格制限(資格を要する職業に就けない)などの社会的に不利なことも殆どありません。

 

※住宅ローンについて返済延長などを行う場合は、個人民事再生法の手続きをする前に銀行などの住宅ローンの債権者と話し合う必要があります。

 

ちなみに、個人民事再生法には2つの種類があり、小規模個人再生の方が給与所得者等再生と比較すると返済する借金の総額は少ない場合が多いです。

 

@小規模個人再生手続き
個人商店や小規模な事業を営んでいる方が対象で利用する条件は以下になります。

 

・住宅ローンを除く借金などが5000万円以下である
・今後、継続的に安定した収入を得る見込みがある

 

A給与所得者等再生手続き
主にサラリーマンの方を対象にした手続きで、利用する条件は@の条件と以下を満たす必要があります。

 

・毎月の給料の金額が安定している
基本的に、個人民事再生法というのは手続きをすることが出来る方というのが法律で制限されていないため、継続して収入を得られる見込みがあればアルバイトやパートタイマーであっても個人民事再生をすることは出来ます。

 

手続き方法・必要なもの・費用について


手続きの手順については以下のとおりになります。

 

1.債権者への受任通知書の発送

 

弁護士や司法書士へ個人民事再生の依頼を行うと、当日に債権者へと受任通知書(介入通知)が発送されます。
内容については、債務者への取立ての禁止と取引履歴の開示といった書類です。
こちらを郵送することで、債権者は本人への取立て・請求は出来なくなります。

 

2.裁判所への個人民事再生の申立て

 

裁判所へと個人民事再生法の申立てを行うために、依頼した弁護士や司法書士が申立ての書類作成して申立てを行います。
裁判官が申立ての要件を満たしている上に書類に不備などがなければ再生法の開始が仮決定されます。
尚、裁判所によっては約3〜6ヶ月の間、返済が可能かどうか積立トレーニングを行うところもあるのです。

 

3.個人再生委員と再生計画についての話し合い

 

裁判所への申立てから約2〜3週間後、裁判所が選任した個人再生委員と今後の再生計画について面談を行います。
こちらは、弁護士や司法書士が対応するので本人が受け答えすることはことは殆どありません。

 

5.個人民事再生法開始

 

再生計画について、個人再生委員の意見を聞いてから裁判所が再生計画についての認否を決めます。
承認後は、債権者へ債権届出書が送られ、債権者は主張する借金の額についてを債権届出書へ記載してその書類を裁判所へ届けるのです。

 

6.債権認否の提出

 

債権者からの債権届出書が届くと、裁判所は個人再生委員の意見の元に認否を決めます。
承認後、債務者の再生計画に基づく額を債権者へと送るのです。

 

7.決議⇒個人民事再生法の決定

 

小規模個人再生の場合は、再生計画について書面決議に入り、給与所得者等再生の場合は書面決議はなく意見聴取が行われます。
殆どの場合は通りますが、小規模個人再生の場合は債権者の2分の1以上の反対もなく、反対した債権者からの借金の額が全体の2分の1に満たなければ、個人再生委員の意見の元裁判所から個人民事再生法が承認されるのです。

 

8.返済
個人民事再生法の承認後、翌月から再生計画通りの額を債権者の指定する口座へ入金して返済を開始します。

 

上記がおおまかな流れとなっていて、返済までは大体6ヶ月はかかってくるのです。

 

手続きにおいて必要なもの

・印鑑
・戸籍謄本(世帯全員分)
・住民票(世帯全員分)
・給与明細書(3ヶ月分)
・通帳のコピー
・退職金見込み額証明書
・所得課税証明書(2年分)
・借入れ先全てのクレジットカード
・生命保険証書
・解約返戻金証明書
・賃貸借契約書または住宅の謄本
・固定資産評価証明書
・火災保険、地震保険契約書
・車検証のコピー
・車の査定書
・ヤミ金融取引状況申告書

(ヤミ金融から借入れがある場合)

 

費用の相場について

費用は、他の債務整理と比較したときに費用はかかってきて、依頼する弁護士、司法書士によっても差があるのです。
弁護士の場合の相場は40〜80万円となり、司法書士ですと25〜30万円となります。

 

尚、弁護士、司法書士への依頼費用の他にも申立手数料が1万円の予納金が1万2000円と必要になってくるのです。
さらに、個人再生委員を選任する費用として約20万円程かかることがあります。

 

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